愛犬についての情報収集、それで大丈夫?

こんにちは。ドッグスクールKANEKO です。

スマートフォン(スマホ)の普及により、ありとあらゆる情報が気軽に手軽に得られるようになっています。

情報が溢れている中で、「どの情報を参考にするか」愛犬やご家族にとって「必要な情報かどうか」の選択や判断をする(見極める)能力が必要だと思います。

 

はじめに

例えば“トイレトレーニング”について検索すると、色々な手順や方法が出てきますが、Aの情報とBの情報が矛盾していたり、Cの情報では「○○すべき」事がDの情報では「○○はしなくていい」など正反対の内容が書いてあったりするのを目にした事があるかもしれません。

それは同じ「トイレトレーニング」でも“現状”や“過程”は様々で、むしろ、正解(して欲しい事)や目標も人によって異なる場合があるので、「トイレトレーニングが完璧」と言っても愛犬やご家族により“完璧”の「範囲や内容」には大きな違いがあるケースが多いです。

 

正しい情報ってなに?

SNSで各方面のプロから「○○にはこれがいい」と情報を得たり、「○○に困ってます。みなさんどうしてますか?」と気軽に質問し不特性多数からも情報を得る事ができますが、“ご自身にとって”都合のいい「うちもそうでした」「○ヶ月(○歳)から落ち着きました」など共感を得られるもの(コメントや返信)をみて“安心する”方がいる事に危機感があります。

プロよりも犬の扱いが上手な方(アマチュア、一般的な飼い主やご家族)もいますが、SNS上でのコメントやアドバイスしてくれる相手やその愛犬が「どういう人(犬)かわからない」状態で情報を鵜呑みするのはリスクもあると思います。

また、愛犬の状態やお困りの行動の原因(要因)も様々で、愛犬に関わる時間や愛犬に求める事、生活環境も人それぞれ違うからです。

(愛犬のなぜ?) 愛犬が吠えるのはなぜ?

ノイローゼになるまで、ひとりで悩んだり抱え込んだりする必要はないですが、「みんな同じだから大丈夫」「いつかは落ち着くから大丈夫」など安易に楽観視するのは愛犬にとってよくないケースが多いです。

老犬(シニア)になったり、怪我や病気により“物理的”に「動けなくなる」事はありますが、それを「落ち着いた」と表現する方も中にはいるため、「落ち着く」状態も人によって認識が違うケースがあると思います。

(愛犬のなぜ?) 愛犬に落ち着きがないのはなぜ?

 

必要な情報を得るためには

まずはご家族が愛犬との生活やしつけを“どうしたいか”を具体化してみて下さい。

理想や目標が曖昧だと達成するまでの道すじも曖昧になりやすいため、具体化した「ご家族と愛犬の目標」を達成するためにはどうすればいいのか?を調べていけばいいと思います。

最近は、ご自身(ご家族)や愛犬にとって都合がいい事は「みんなと一緒」を求めて、自分や愛犬にとって不都合な事は「みんな違ってみんないい」と個性を主張する一貫性がない方が多い気がします。

基本的に「全く同じ」犬や家族(家庭)は存在しないため、愛犬やご家族を“こういうタイプ”とおおまかに区分(判断)する事はできても、愛犬との練習方法やご家族への指導(引き継ぎ)方法は色んなやり方が必要な事が多いです。

愛犬の状態や各ご家庭の事情も様々なので、愛犬と会わずご家族からのヒアリングもなしで「これさえすれば大丈夫!」と一方的に発信できる事は少ないです。

 

流行りが全て当てはまるとは限らない

「叱らないしつけ」ブームが始まり、叱る事は“悪”や“虐待”のように形容するバランスが崩れたトレーニング方法を提案するものをよくみかけるようになってからしばらく経ちますが、今は「行動学的な方法」が人気(流行り)のようです。

叱らないしつけや行動学的な方法は「何も問題がないフラットな状態の仔」には効果があるかもしれませんが、すでにお困り事があるご家族にとっては、褒めるだけではどうにもできなかったり、じっくりゆっくり悠長に時間をかけていられないケースもあったりすると思います。

(叱る事について) 愛犬を叱っちゃダメなの?叱る事は可哀想?

“流行っているから”や“みんなしてるから”を判断基準にせず、愛犬やご家族にとって「必要で継続できる方法はなにか」を判断基準にしていただければと思います。

 

「共感 = 解決」ではない

“みんな同じ”や“みんな通る道”と言われると「自分だけではないんだ」と安心はしますが、「じゃあどうすればいいのか?」まではわからない事もあります。

“うちの仔はこれでできた”と書かれた方法で試しても教えてくれた方との「愛犬の状態や性質」「目標」「生活環境やライフスタイル」「愛犬との関係性」が違うと達成できなかったり、場合によっては逆効果になる(お困りの行動が悪化する)可能性もあります。

そのため、愛犬のしつけ方やトレーニング方法は「しつけのプロ」に相談し、愛犬とご家族専用のものを一緒に作ってもらう方が安心だと思います。

(お悩みについて) 愛犬のしつけのお悩み、どうしたらいいの?

 

しつけは多数決ではない

SNSをみていると「トイレ」「マーキング」について書かれているものをよく目にします。

例えば、お散歩中に排泄はさせるのか、排泄後に水をかけるかどうか、うんちは片付ければどこでもしてもいいのか、排泄場所を決めるのは誰か(愛犬かご家族か)、マーキングは愛犬の権利か迷惑行為かなど、色んな書き方や主張があるようです。

しつけ方法についても色んな考え方や方法があるようにトイレに関しても法律などで「絶対○○しなければならない」という決まりはないです。

市区町村の条例で細かく記されているところもあれば、「うんちは放置せずに持ち帰る」など“最低限の事だけをすればいい”と解釈できるものまで、各自治体によっても取り組み方に温度差があるようです。

・排泄物から得る情報(色、量、ニオイ、状態など)の観察や把握

・排泄物から感染する(させる)病気の予防

・一般的なマナー

・お困りの行動の予防、抑制、緩和

上記の観点から、スクールでは「排泄はご自身の敷地内」にしていただくようにご家族にはお話をして、幼稚園やお泊まりでお預かりする仔には「指定のトイレ」で決められた「トイレの時間」に排泄できるように教えています。

(トイレについて) 愛犬のトイレトレーニングはなにに気をつけて教えればいいの?

例えば、お散歩中の排泄は「愛犬の権利だから愛犬がしたい場所ですればいい」という主張にたくさん“いいね!”がついているからといって、それが「正しい情報」とは限らず、各々の考え方や価値観をよくみて、ご自身でよく考えるようにして下さい。

 

“みんな”じゃなくて“愛犬”をみて

日本人は「みんなと一緒」が安心しやすい傾向があると思います。

実際に「みんなそうだから」というフレーズをよく耳にします。

“みんな”はご自身と真逆の意見、考え方、練習方法をする対極の人ではなく、「自分と価値観が似てる人」を指す事が多いように思います。

例えば、“みんな”の犬はドッグランやアウトドアに行けるしつけやご家族との関係性ができている状態で、愛犬とのお出かけができるのかもしれませんが、ご自身の愛犬がまだ出かけられる状態ではないと「みんなと一緒」は成り立ちません。

(お散歩について) 愛犬のお散歩デビュー、準備はできてる?

「みんなしてるから愛犬もできるはず」と無謀なチャレンジはせずに、愛犬の犬種、性質、しつけ具合、ご家族との関係性などをよく見つめなおしてみて下さい。

 

さいごに

情報が手軽に入手できる分、「愛犬にとって必要な情報はなにか」「正しい(必要としている)情報はどれか」がわかりにくくなっている傾向があります。

情報はご自身を否定しないもの、愛犬やご家族の現状に共感してもらえるものを選択しやすいですが、「みんな一緒だから安心」ではない事が多いです。

「みんな」が大丈夫だったから「愛犬も大丈夫」な保障はなく、流行りのトレーニング方法や生活環境がご家族と愛犬にとってベストな情報とは限らないケースもあります。

情報から知識を得る事は大切ですが、「絶対これが正しい」と頑なにならずに、愛犬や各ご家庭ごとに柔軟に判断する事も必要です。

このブログの内容も「情報のひとつ」です。

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