愛犬の拾い食い、どうしたらいいの?

こんにちは。ドッグスクールKANEKOです。

「拾い食い」はよくあるお困りの行動のひとつですが、愛犬がなぜ拾い食いをするのか、どうしたら拾い食いを軽減できるのか、一例を書いていこうと思います。

 

はじめに

「拾い食い」をする愛犬のご家族には共通点があると思います。

愛犬の性質も多少ありますが、「拾い食い」は生活環境や生活習慣から学習している可能性が高いので、日常生活を見直すきっかけのひとつにしていただければと思います。

 

なぜ拾い食いをするの?

犬は嗅覚が優れている動物です。

なので、鼻を使ってありとあらゆるものを嗅ぐ習性があり、ニオイから情報収集をする傾向があります。

そのため、鼻を使って辿った先に「食べられそうなもの」「気になるもの」があった時に、口に入れてみたり、舐めてみたり「みつけたものを確認する」作業をする可能性があります。

試しに口に入れているのか、食べようと思っているのかは別として、「口に入れていいものかどうか」を愛犬が判断する事は難しい事が多いため、ご家族が愛犬の様子をよく見て危険の回避をする事、日頃から愛犬の口に入れるものを制限する(ルールを作る)事が必要だと思います。

 

拾い食いをしやすい習慣

ご家族がルールを作って生活するのではなく、愛犬が望むままの生活をする、愛犬主体(主導)の関係性だと拾い食いをしやすい習慣が身につきやすいと思います。

一例を書いてみます。

クン活

特にお散歩中にニオイを嗅ぐ事を「クン活」と表現される事があります。

(クン活について) クン活ってなに?愛犬に必要なことなの?

クン活は目的を持ってしているのはいいのですが、特に意味がない、なんとなく、ルールなくクン活している場合は注意が必要です。

「クン活 = 鼻を使う事」なので、ニオイを嗅いだ先に気になるものがあれば咥えたり食べたりする事はしやすくなります。

余談ですが、今の時季は特に除草剤を撒いている事も多く、安易に草むらに入ったり、ニオイを嗅いだり、草を食べたりすると嘔吐や下痢など体調不良になるケースも多いため、お散歩をされる際は気をつけて下さい。

ケージレス(フリー)飼育

ルールのないケージレスで生活している場合、「常に」愛犬が自分の好きなように自由に動ける環境だと思います。

(ハウスについて) 愛犬にハウスは可哀想?やっぱりケージレスがいいの?

ご家族の食事中やお子さんのオヤツの時間など、愛犬以外が食べている「おこぼれ」を貰おうとしたり、同じ物をねだったり、奪ったりしやすい傾向があります。

ご家族が使用している机や椅子に飛び乗り、つまみ食いする仔もいます。

スクールでは、「ご家族が愛犬から目を離す時」「ご家族の食事中」は愛犬はハウスする事をすすめています。

余談ですが、犬の口腔内は細菌だらけでその唾液などを人が接種した場合、病気(感染症)になる可能性もあります。

大人が自己責任で愛犬とキスをしたり、愛犬と同じ食器を使用したりするのはいいと思いますが、お子さんには衛生面で気をつけてあげて欲しいと思います。

 

拾い食いはなぜよくないのか?

拾い食いは「なにを」「いつ」食べるかわからず、食べれる物(食べていい物)を食べているのか、食べてはいけない物を食べてしまうのか事前にわからない部分が危ないと思います。

例えば、お散歩中では、故意に作られた毒団子や除草剤のついた物など、ご自宅では、お菓子の袋やヨーグルトやゼリーのフタ、団子や焼き鳥の串など、安易に口に入れると危ない物や命に関わる物がたくさんあります。

ご家族の食べかけのお菓子(チョコレートなど)、タバコの吸いがら、キーホルダーや小さいぬいぐるみ、髪ゴム、靴下、ビニール紐などを拾い食いや誤飲しやすい気がします。

拾い食いをする仔のご家族は「なにを食べたかわからない」「いつ食べたかわからない」という方がとても多いように思います。

嘔吐したりうんちをしたりして、自力で体外へ排出できればいいですが、おなかの中に残ってしまうと、手術で摘出する必要があったり、発見が遅いと最悪命を落としてしまう可能性もあります。

食べた物によっては排出する際に体内を傷つけてしまう事もあります。

誤飲癖がつくと何度も誤飲を繰り返し、叱り方や注意の仕方を間違えると「盗られる前に食べちゃおう!」とすごい速さで飲み込んでしまう仔もいます。

手術を繰り返す事になった場合、内臓の状態によっては「次はもう手術ができない」という宣告をされるケースもあるようです。

 

拾い食いをしにくくするためには

練習方法や意識して欲しい事はいくつかありますが、基本的な事を2つ例として書きます。

しつけをする

ひとつ目は、しつけをする( =ルールを作る)事が必要だと思います。

(しつけについて) しつけをするのは可哀想?愛犬のためにできる事ってなんだろう?

スクールでは、「人の手から」「人が指示(合図)をしてから」「奪ったり催促したりせずに」フードを食べるように練習しています。

もちろん、ごはんの時間には食器から食べますが、愛犬が人から奪って食べ物(フード、トリーツ含む)を食べるのではなく、必ず人の手であげたり人があげるまで待ったりできるようにしています。

ご褒美でおやつ(トリーツ)をあげる場合も、人のタイミングであげるのはいいですが、「よこせ!」と愛犬から奪ったり、飛びついてご褒美の催促をしたりする行動はしない(させない)ように注意しています。

「人の手から」「人の合図があってから」という条件付けがある時のみ「食べていい」というルールができると、「拾い食いしたいもの」を見つけた時に、まずは口に入れるのではなく、「なにかあるよ?」「食べてもいい?」と人の顔をみて、人の合図や指示を確認するようになりやすいです。

そうすると、食べたいものがあるか探すために突進したり突っ走ったり、誤飲したりするリスクを軽減できると思います。

環境を整える

2つ目は、ご家族が愛犬のために環境を整える事が必要だと思います。

スクールでは、「ハウスで過ごす事 = クレートトレーニング」を教え、ご家族が目を離す時、食事中、留守番中などは「ハウスをする事」をご家族に提案しています。

(ハウスについて) 愛犬はなんのためにハウスするの?

赤ちゃんや小さいお子さんがいる(いた)ご家庭だと想像しやすいかもしれませんが、“はいはい”や“つかまり立ち”をし始めたお子さんが誤って食べてしまわないように、お子さんの行動範囲には「口に入れてはダメなもの」は徹底的に片付けた(管理した)経験がある方も多いと思います。

きょうだいがいる方は、上のお子さんが小さいブロックやビーズで遊ぶ時、ちゃんとお片付けができたか確認したり、赤ちゃんとは別の部屋で遊ぶようにしたり、赤ちゃんが成長するまで「小さいおもちゃ」を封印した経験がある方もいると思います。

犬も同様に「いつ」「何を」食べるかわからないため、愛犬の行動範囲内に置く物には気をつけていただきたいです。

 

さいごに

「拾い食い」は口に入れる物や大きさ(長さ)によっては命に関わります。

拾い食いや誤飲をする愛犬のご家族は、いつ、どこで、なにを食べたか把握できている方は多くないため、愛犬との生活や習慣を見直すきっかけにしていただければと思います。

拾い食いも程度や状況、家族構成や生活習慣などにより練習方法は様々です。

愛犬の拾い食いにお困りでしたら、まずはお気軽にお問い合わせ下さい。